これらの症状は、誰しも1度くらいは経験のある症状かもしれません。でも、何度も繰り返す慢性的な症状の場合、私たちの毎日の活動に大切な「自律神経」の働きの乱れが原因となっていることも考えられます。
生命活動に欠かせない装置
自律神経とはわかりやすく言うと、体を自動で調整する装置です。私たちの体には、自分の意志で動かせる部分と、動かせない部分とがあります。
例えば手や足は、特別な理由がない限り、自分の意志どおりに動かすことができます。これは運動神経の働きによるものです。
一方、心臓や胃腸の働きを、自分の意志で操ることはできません。体内の臓器は自律神経によってコントロールされているからです。
自律神経の働きにより、心臓が自然に拍動し、呼吸で酸素が肺に取り込まれ、食事をすれば胃腸が食べ物を消化・吸収し、毎日の活動に備えることができます。自律神経は呼吸・脈拍・体温・消化・免疫・ホルモンほか私たちの生命維持に関するあらゆる働きを、意識とは無関係に、24時間365日、休みなくコントロールしている、とても重要な神経なのです。
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つのケーブルで、脳と各臓器をコントロールしています。目覚めている時、運動や仕事などの活動している時、怒りや恐れ、不安など感情が高ぶった時(戦闘モード)に働く交感神経(活動神経)に対し、睡眠時や、食事中など体がリラックスしている時や、安心して感情が落ち着いている時(休眠モード)に働くのが副交感神経(リラックス神経)です。
交感神経、副交感神経、この2つのバランスを保ちながら、私たちは生命活動を行っています。
そして、自律神経の2つの神経の関係は、東洋医学の思想の1つ「陰陽論」の考え方にあてはめることができます。陰陽論は世の中のあらゆるものを「陰」と「陽」の二つに分け対立したものと位置づける考え方です。
・陰・・・暗い・冷たい・静か・落ち着き・重いなど静的なイメージ
・陽・・・明るい・熱い・活発・興奮・軽いなど活動的なイメージ
大まかに分けるとこのような感じです。自律神経でいえば、交感神経が陽、副交感神経が陰に該当します。
陰と陽は互いに変化しながら役割交代します。陽が強くなれば陰が抑えるように強さを増し、陰が強くなれば今度は陽が陰を抑えこむように強くなってきます。
例えば、太陽が明るい真昼は陽が1番強い時。午後になり、日が沈み始めると、陽は少しずつ弱くなり、逆に陰が強くなってきます。そして夜中、陰は1番強くなり、その後明け方に段々と弱まってきます。このように陰・陽は互いにバランスをとりながら変化するのです。
人間の体もこれと同様、陰・陽のバランスを取りながら生命活動を行っています。
例えば、夏が近づけば、体温が上がり過ぎないよう(体内の陽が強くなり過ぎないよう)発汗しやすくなり、冬が近づけばエネルギーが外に逃げないよう(体内の陽が弱くなり過ぎないよう)汗腺を閉じます。
日中活動して夜は眠る。イライラしたら溜息をつく。人前で緊張した後には1人でホッとひと息つきたくなる。私たちが日々、意識せずに行っているこれらの習慣も、自ら陰・陽のバランスを保つためにしている行為です。
健康な体は陰・陽のバランスが取れています。陰・陽どちらかが多すぎても少なすぎてもカラダの調子を崩しやすくなります。比較的元気な時は、自らの回復力で陰陽のバランスを取り戻し、健康を保つことができますが、疲労やストレス、生活の不摂生など様々な原因で陰陽のバランスを取り戻すことが出来なくなると体調を崩してしまいます。
つまり交感神経と副交感神経においても同様に、どちらかが優位に働き過ぎても、逆に働きが衰えても、バランスがくずれ、私たちの生命活動に様々な影響を及ぼします。
この状態が「自律神経失調」です。
西洋医学的には、「検査で臓器などに異常は認められないものの、とても辛い症状がある」というような場合にも自律神経失調症ということがあります。
自律神経が乱れる主な原因
1. 過剰なストレス
現代社会において、私たちは常に様々なストレスを感じて生きています。適度なストレスは体に緊張感をもたらし、やる気や張り合い、心身の増強など必ずしも悪いというわけではありません。問題となるのは、ストレスが過剰になった場合です。
過剰なストレスは、体に緊張状態を強いることとなり、結果として交感神経、副交感神経のバランスが崩れ、自律神経の働きが大きく乱れることとなります。
2. 不規則な生活習慣
元々交感神経は昼間によく働き、副交感神経は夜間や食事中などによく働くというリズムがあります。例えば昼夜逆転の生活をしたり、不規則な時間に食事をしたりすると昼間に働く交感神経と夜間に働く副交感神経の切り替えがスムーズにいかなくなり、自律神経の働きが乱れやすくなります。
3. ホルモン(女性ホルモン、男性ホルモン、甲状腺ホルモン)の影響
女性は40代後半から50代前半にかけて女性ホルモンの分泌が急激に低下し、自律神経の乱れをきたすことがあります。個人差はありますが、頭痛、めまい、冷えや肩こりといった自律神経失調症と類似した症状が起こることがあります。これが更年期障害といわれるものです。
また、男性においても20歳をピークに男性ホルモンの分泌は緩やかに低下し、40代後半以降に更年期障害の症状が出る場合があります。
その他、甲状腺ホルモンは交感神経を活性化する働きがあり、橋本病やバセドウ病などにより甲状腺機能が乱れると甲状腺ホルモンの分泌以上により自律神経失調症となることがあります。
自律自律神経失調症による症状(一例) | |
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心臓 | 動悸・胸痛・胸部圧迫感 |
肺 | 息苦しい・息がつまる |
胃腸 | 吐気・下痢・便秘・腹痛・お腹の張り・胃の不快感・ガスがたまる |
頭 | 頭痛・頭重感・脱毛 |
目 | 目の疲れ・乾き・違和感・まぶしい |
耳 | 耳鳴り・違和感・めまい |
口 | 渇き・痛み・味覚障害 |
のど | 喉の異物感・飲みこみずらい・話ずらい |
手足 | 痛み・しびれ・震え・冷え |
皮膚 | 多汗・痒み・痛み |
筋肉・関節 | 肩こり・脱力感・筋肉痛・関節痛 |
血管 | 立ちくらみ・高血圧・冷え |
膀胱 | 頻尿・排尿障害・残尿感 |
生殖器 | 勃起障害・射精障害・生理不順 |
全身 | 微熱・倦怠感・疲労感・食欲不振・ほてり・めまい |
精神 | 落ち込み・不安・不眠・イライラ・気力低下・集中力低下・情緒不安定 |
東洋医学の思想の1つに「陰・陽」があります。これは世の中あらゆるものを「陰」と「陽」の二つに分け対立したものと位置づける考え方です。
・陰 暗い・冷たい・静か・落ち着き・重いなど静的なイメージ
・陽 明るい・熱い・活発・興奮・軽いなど活動的なイメージ
大まかに分けるとこのような感じです。
陰と陽は互いに変化しながら役割交代します。陽が強くなれば陰が抑えるように強さを増し、陰が強くなれば今度は陽が陰を抑えこむように強くなってきます。
例えば、太陽が明るい真昼は陽が1番強い時。午後になり、日が沈み始めると、陽は少しずつ弱くなり、逆に陰が強くなってきます。そして夜中、陰は1番強くなり、その後明け方に段々と弱まってきます。このように陰・陽は互いにバランスをとりながら変化するのです。
人間の体もこれと同様、陰・陽のバランスを取りながら生命活動を行っています。
例えば、夏が近づけば、体温が上がり過ぎないよう(体内の陽が強くなり過ぎないよう)発汗しやすくなり、冬が近づけばエネルギーが外に逃げないよう(体内の陽が弱くなり過ぎないよう)汗腺を閉じます。
日中活動して夜は眠る。イライラしたら溜息をつく。人前で緊張した後には1人でホッとひと息つきたくなる。私たちが日々、意識せずに行っているこれらの習慣も、自ら陰・陽のバランスを保つためにしている行為です。
健康な体は陰・陽のバランスが取れています。陰・陽どちらかが多すぎても少なすぎてもカラダの調子を崩しやすくなります。比較的元気な時は、自らの回復力でバランスを取り戻し、健康を保つことができますが、疲労やストレス、生活の不摂生など様々な原因でバランスを取り戻すことが出来なくなると体調を崩してしまいます。
東洋医学では、西洋医学のような病名を用いませんが、陰陽のバランスが崩れた上記のような症状は自律神経失調症といえます。陰陽のバランスを重視する東洋医学。その考えに基づく施術法は、自律神経失調症の回復にとても効果的です。
陰陽のバランスの乱れは、体全体のツボに現れます。
鍼灸はこれらのツボに働きかけ、気をめぐらせる施術法です。鍼灸は、陰陽のバランスを整えることを考慮し施術しますので、陰陽の乱れによる症状=自律神経失調症にピッタリの施術法です。
なかなか良くならない症状、「どこに行ったらいいか分からない」とお悩みでしたら、鍼灸の施術も是非お試しください!
初診料 | 2,000円(税込) |
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施術料 | 5,800円(税込) |
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※初診料は初めての方、2年以上ご来院いただいていない方に申し受けます。
※鍼灸、整体いずれの施術を用いても料金は一律です。
親切・丁寧な対応をモットーとしておりますのでお気軽にご相談ください。